story

第1話「あまいぞ!男吾」
 

 帰宅してきた小学生。玄関前で鬼気迫る表情。息を大きく吸い込み「ただ今帰りましたぁー」廊下を駆け抜けようとする彼にいきなり襲いかかる母のホウキ攻撃!それをかいくぐるとハンガーが飛んできて、息つく間もなく父の空手殺法!「きょうはナントカ無事にたどりつけそうだぞ」しかし!彼の顔面を直撃する竹刀・・・。高笑いの姉。「アッハハハハあまいぞ、男吾!」

 武道家ぞろいの”弱肉強食”な家庭にすむ巴男吾は一文字学園の5年生。毎日のように遅刻し、その日も遅刻して担任の"モミアゲウマ"にどなられた。その横に見慣れない、転校生の女の子が立っている。
 奥田姫子。奥田財閥の令嬢である姫子はいきなりクラスのボスである男吾に腕相撲で勝負を求めてくる。自信マンマンの男吾だったが、姫子のウィンクに気をとられて負けてしまう。
 姫子は成績優秀、品行方正、そのせいか、なかなかクラスに馴染めず、今までの学校と同様に”社長令嬢”として扱われる。そんななか、男吾は腕相撲の借りを返そうと「果たし状」を姫子に渡すのだった・・・。

第2話「地位も名誉もかなぐりすてて
   毎日ケンカばかりの男吾にウンザリしたクラスメートの玉美が、女子に声をかけクラスの委員長に男吾を選出。男吾はもちろん前委員長の秀一郎や男子、先生、そして家族がそのことに驚きを隠せない。
 はりきる男吾だったが、そのうちクラス委員長の立場ではケンカができないため、普段の元気さがなくなってしまう。
 あくる朝、校庭で人だまりができている。空き缶で頭にたんこぶを作った6年生が男吾の友達のヒデキを殴っているのだ。空き缶を蹴った本人である秀一郎は先生を呼びに行ったという。手を出すことも出来ず、見ているだけのクラスメートたち。クラス委員長の名札を引きちぎって、男吾は6年生に飛びかかっていくのだった。
第3話「えっ!?オレの趣味?
   作文の宿題のテーマは「ぼく、わたしの趣味」。くう、ねる、ケンカと、はっきりしている男吾とは対称的にこれといった趣味のない姫子。
 そんな姫子に、見知らぬ男2人組が声を掛けてくる。病気の弟のためにファミコンソフトを貸して欲しいという男に、日頃から家の手伝いをする男吾の姿を見てうらやましく思っていた姫子はよろこんで貸してやる。
 次の日、クラスではファミコンソフトを2人組に取られた、という声があちこちで聞こえる。返しにくるはずの空き地で待つ姫子に「きっと返しには来ない」と言う男吾。隠れて待っていた男吾と姫子の前にやってきた2人組はカバンいっぱいのファミコンソフトを持っていた。おもわず姫子は2人の前に飛び出していく・・・。
第4話「母ちゃん台風
   父ちゃんが暴れた悪夢のあの日から1年。また授業参観がやってきた。
 ひさしぶりに仕事が見つかった父ちゃんの代わりに、母ちゃんが行くと言い出す。母ちゃんに男吾は「ひとつだけでいいから自慢できるようなところを見せてくれ!」と約束させる。
 ところが遅れてくるわ、エプロンつけたままの普段着を着てるわ、次の体育の授業も見ていくと言い出すわで、男吾も恥ずかしい限り。
 子供たちのドッジボールに見ていられなくなった母ちゃんは、とうとう「ボールってのはこうやって投げるんだよー!」そして投げたボールは「その名も巴ダイナミック!」
第5話「恐怖の一夜
   イナカのバアちゃんが倒れたとの電話が入り、男吾ひとりだけが家に残された。好き勝手できる!と喜んだところへ、家族より仕事を優先する父親に反発する姫子が家出してきた。
 なんとかひとりになりたい男吾はあの手この手を使って泊まろうとする姫子を追い出そうとする。姫子もとうとう出ていこうとした時、庭に変な男の影が! ナイフを手にした男を返り討ちにした男吾は、姫子のことを守る決意をし、竹刀を手にして待ちかまえる。テレビでは近所に指名手配の変質者が逃げ込んだ、というニュースが・・・。 そして謎の男が姫子に迫る!
第6話「男吾、故郷へ(前編)
   一学期の通信簿が1のオンパレードだった男吾。母ちゃんにどなられるのを避けるためにバアちゃんのいる九州のイナカへ。
 姫子はかわいい女の子のいとこがいることを母ちゃんから耳にする。 イナカのバアちゃんの元気そうな姿に安心する男吾。占い好きのバアちゃんは無理矢理男吾を見合いさせようとする。
 しかもその相手がよりによっていとこのカツミ。昔から、ひとつ年下のカツミには手を焼かされていた男吾は逃げ出そうとするが、そこへ姫子が「男吾に勉強を教える約束」をしたから、といって現れたもんだから、さぁ大変。
第7話「男吾、故郷へ(後編)
    いつの間にか意気統合している姫子とカツミ。あいかわらず、カツミにもてあそばれてなんとかしたい男吾だったが、どうもカツミの方が一枚も二枚もウワテで、バアちゃんも情けない思い。
 バアちゃんの一喝に気をいれなおした男吾は一気に借りを返す作戦を練る。さてその作戦、うまくいくのやら・・・。
第8話「おっちゃん賛歌
   男吾の大好きな"おっちゃん"こと用務員の古坂さん。クラスメートのトン子のおじいちゃんだ。
 明日で勤続三十周年ということでますますはりきるおっちゃんだが、教員たちの間からは三十年を期に辞めてもらおうとの声があがる。盗み聞きしていた男吾は当然大反対。
 その夜、男吾は姫子をつれて用務員室へ三十周年を祝いにやってくる。転校してきたばかりの自分のことまで我が子のように思っていてくれたことに姫子も感激。特別な日だから、と三十年禁酒していたおっちゃんに酒をすすめてドンチャン騒ぎ。ところが酒に酔ったおっちゃんは夜中にドロボーが入ったことにも気がつかなかった。
 朝礼でおっちゃんの退職が告げられる。男吾にそれを止められることが出来るか!?
第9話「金さんとジュリエット
   ひさしぶりに家族そろっての映画鑑賞を楽しんだ姫子。すっかり「ロミオとジュリエット」に感動し、その興奮を男吾にも伝えようとしたがあまり関心がなさそうだ。
 近々行われる学芸会の出し物も「ロミオとジュリエット」に決定。ジュリエット役は姫子が選ばれる。男子を集めて「遠山の金さん」をやるつもりの男吾も見せ場のアクションシーンに力を注いでいる。
 そして当日。時間の都合で急遽どちらかの劇を止めなければならなくなった。舞台や道具がそろっていない「金さん」が取り止めになったが、それでハイそうですかと引き下がるほど男吾はあまくなかった!
第10話「姉ちゃんの恋
   普段から活発で男まさりの姉ちゃん・知子。一文字中学剣道部での姿に心惹かれる男子生徒も多い。
 稽古も終わり、静まりかえった剣道場に知子は一人静かに花を生ける、華道部部長・大和撫郎と出会う。父ちゃんや男吾にない静けさに心を奪われた知子は急におしとやかになってしまう。
 日頃から"たくましくなければ男じゃない!"と言っていた知子とは大違い。剣道部にも顔を出さなくなってすっかり変わった、と感じた男吾はデートする二人の後を尾行し、撫郎が一人になるときを待っていた。
 「大メシ食らいの姉ちゃんがやせたのはお前のせいだ!」と殴りかかる男吾。プレゼントを渡し忘れて戻ってきた知子、撫郎を殴りつけている男吾を見て、まだおしとやかでいられるか!?
第11話「マッチ売りのサンタ」
   明日はクリスマスイブ。姫子の家でもクリスマスパーティーが行われる。男吾もプレゼントを買って参加する予定だったが、よりによってこんなときに、父ちゃんが働いていたマッチ工場が倒産。ボーナス代わりにもらってきたマッチを売ってこずかいかせぎをする男吾。
 ケーキ屋に大きなクリスマスケーキを予約していた姫子。うれしくて自分で持って帰ろうとしたが転んでしまいケーキが台無しに。人混みのなかからそれを見ていた男吾だったが、マッチを売っている姿を見られたくなかったので出て行かなかった。
 男吾を待って始まらないパーティーにみんな待ち切れない様子。ケーキを買いに行った時に街で見かけたマッチ売りが男吾だったのでは、と姫子は家を飛び出す。ケーキ屋の宣伝を兼ねてサンタの格好でマッチを売る男吾にはどうしても欲しいものがあった・・・。
第12話「こわいぞ!男吾
   あいかわらずの問題児である男吾の担任"モミアゲウマ"こと負川先生は教頭に、男吾の行動の責任をとるようにと注意をうける。すっかり男吾ノイローゼになった負川先生はカゼをこじらせ三日間も学校を休む。
 心配になった姫子はお見舞いに行き、得意の料理を食べさせる。あまりの料理の味に気絶した負川先生を男吾は家に連れていく。そこで先生が見たものとは・・・!?
第13話「オレとアイツの関係は!?
   男吾のそばにいるうちに男吾に似て元気いっぱいになってきた姫子。面白くないのは姫子の母親だ。発表会も近いというのにピアノ教室も休みがちだと聞いた姫子の母は、今後男吾とつき合うのをやめるように言う。それを聞いていた男吾はわざと嫌われるようなことを姫子にするのだった。
 ピアノの発表会当日。会場まで姫子を送るはずの父の車が渋滞に巻き込まれる。このままでは発表会に間に合わない!そんなとき、ケンカしてボロボロになった男吾が回覧板を持って現れた!
第14話「古塚のおっちゃんカムバック!!
   いよいよ六年生になった男吾。クラスのみんなは中学校入学を目前にして塾に通いだす。クラスで塾に行ってないのは劣等生の男吾と優等生の姫子だけ。ケンカの予定をしていた相手ですら塾に通っている。
 なにか面白いことでもないか・・・と思っているところへ、半年ぶりに古塚のおっちゃんが帰ってきた。そこで「古塚のおっちゃん一文字学園に半年ぶりのカムバック記念野球大会」を提案する男吾。塾で忙しいみんなを参加させるには?
第15話「これぞ・・・おふくろの味」
   無理がたたってギックリ腰になる母ちゃん。知子の作る晩メシを遠慮した男吾はクラスメートのヒデキの母ちゃんが切り盛りする「おおもり食堂」へ。女手ひとつでヒデキと妹を養うヒデキの母ちゃんも過労で倒れてしまう。
 学校を休み代わりに働くヒデキ。男吾も手伝おうとクラスのみんなを集めて、なんとか客を入れようとするのだが逃げて行かれる有様。そこへガラの悪い客が入ってきた・・・。
第16話「昭和竹取物語」
   光る竹、ならぬ光る電話ボックスで赤ん坊を見つけた男吾。「カグヤ」と名付け、親が見つかるまでの間男吾が預かることに。授業中も背中におぶったままで男吾にカグヤはすっかり懐いてしまう。心配になってきた姫子がそろそろ親を見つけて返すべきでは、と話していたその時、母親が見つかったとの連絡が入る。カグヤ姫は満月の夜、帰っていった・・・・。
第17話「一週間先生」
   教育実習生、山本典子先生が男吾のクラスにやってきた。"モミアゲウマ"が手を焼く問題児・男吾によけいやる気が湧く典子先生。独自の教育方法ですっかり生徒の心をつかんだ典子先生は男吾ひとりをしっかり抑えつければクラス全体をまとめられる、という結論を出す。次の日から急に厳しくなった典子先生、遅刻した男吾を「いいと言うまで」廊下に立っているようにと叱りつける。男吾を立たせたまま、忘れて帰ってしまう典子先生。それでも男吾は約束を守るべく、そのまま夜になっても立ち続ける。
第18話「きみは軽井沢でなにをみつけたか」
   明日からいよいよ夏休み。姫子が軽井沢の別荘に遊びにこないかと男吾らクラスメートに提案する。その話に男吾の父ちゃんも乗り出してきた。懲りない父ちゃんはまた会社をクビになったのだ。なんとか父ちゃんを置いて軽井沢に向かった男吾たちだったが、父ちゃんはこっそり後をついてきていた。別荘を姫子の父から任せられている武田が父ちゃんの宿泊を断ったため、父ちゃんはひとり軽井沢の山中へ消えてゆく。数日後、夜には軽井沢に台風が軽井沢まで来るとのニュースを知った姫子は山中に男吾の父ちゃんらしき影を見つけ、ひとりで山へ入って行ったのだが・・・。
第19話「ドーンと一発、男の花火」
   クラスメートのミユキの弟、ミノルはカゼをこじらせて入院していた。病室の窓から夏まつりの花火が見えないことで機嫌の悪いミノルの為、男吾は花火職人の"花火じいさん"に掛け合って病室からでも見えるように去年より50m高く打ち上げるように頼む。
 しかし、花火じいさんは去年と同じ予算だから去年と同じ高さしか上げないと言い切る。ミノルの期待に答えようと、男吾は足りない予算を自分で稼ごうとあらゆる仕事をこなしてゆく。
 そうしてなんとか金がたまったと思ったとき、その金に目をつけた大文字中学の3人組がいきなり男吾を襲ってきた。
第20話「走れ!球技大会」
   今年もいよいよあさってに迫った宿敵「大文字学園」との対校球技大会。男吾はあちこち競技を掛け持ちして活躍の予定。
 一方姫子はバレーボールに出場予定だがメンバーは大文字バレーの強さを知っているため、全くやる気がない。一人張り切る姫子は大文字へ乗り込み、練習を見学させてほしいと頼みこむ。見学はなんとか出来たもののその代わりに足首をねんざしてしまった姫子は出場できなくなる。さらにやる気になくなるメンバーに姫子もサジを投げる。姫子の努力を知っている男吾は、その努力を無駄にしないよう、ママさんバレーの練習に加わる。 球技大会当日。やけにいそいであちらこちらの競技場を走り回る男吾の姿があった。
第21話「豪快にたべまくれ!
   ミス一文字に選ばれた姫子。その姫子ですら大ファンなのが少年組の"ニッシー"こと西山くんだ。
 そのニッシーの出演するカレーのCMに共演の依頼が姫子のもとへ舞い込んでくる。大喜びで一度は引き受けたが学校に行く時間も無くなるのはイヤだと、CM出演を断る。
 社長命令によりなんとか姫子をCMに出演させたい宣伝担当はニッシー本人に出演交渉してもらうことに。いきなりやってきたあこがれのニッシーに舞い上がり、姫子が部屋に招き入れるとそこにはなぜか男吾の姿が。姫子は「ニッシーのために」カレーを作るのだったが・・・。
第22話「ハンコを集めろ!」
   遊んでいた男吾の蹴ったボールがPTA会長の息子・進之助にケガをさせてしまう。PTA会長の怒りを鎮めたい学校側は"一切のボール遊びを禁止"にしてしまう。
 当然反対する男吾。校長は「31人の職員全員が賛成するのならまたボール遊びを再開させよう」という。期限は明日の午後一時。果たして男吾はこの難関をクリアーできるのか?
第23話「決戦!ルール無用(前編)」
   二学期終業式の日。父ちゃんがまた会社をクビになった。そこで父ちゃんは巴道場の開設を思い付く。父ちゃんの空手に母ちゃんの柔道、姉ちゃんも剣道と指導者には事足りない。この頃頻繁に出没するという通り魔を見つけた男吾が通り魔から操という女の子を助けたことが新聞に載ったことで巴道場には入門希望者が殺到。男吾に助けてもらった操も入門しにやってきた。
 となり町のアスレチックジムでは巴道場のせいで会員が減ったとして、巴道場潰しに道場破りをさしむける。簡単に返り討ちにあわせた男吾たち。そこへ姫子の母親が駆け込んでくる。 「姫子が誘拐された・・・」!!
第24話「決戦!ルール無用(後編)」
   誘拐犯は姫子をかえして欲しければ、となり町のアスレチックジムに男吾をひとりでよこせと要求しているという。しかし男吾は、操がおでんの入った鍋をひっくり返したため、右手をヤケドしてしまっている。まるでヤクザの相手に、たった一人で、しかも左手だけで闘わなければならない男吾は、無事姫子を助け出すことができるのか!?
第25話「さらば、一文字学園!」
   卒業を前に男吾は浮かれていた。一文字中学では男吾を目当てにした運動部がどの部もレギュラー枠を用意して歓迎する用意をしているからだ。父ちゃんはそんな男吾の姿に不満げだ。
 一文字中見学の帰り道、たまたまぶつかった大文字中学空手部にケンカを売った男吾だったが空手部員・火山に手も足も出なかった。火山にしかえしすることを悟った姫子は、そんなことをさせまいと男吾の前に立ちふさがり果たし状を叩きつける。 「どうしてもいくのなら、このワタシを倒してからにしなさい!」